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国際女性デー2013

イスラーム社会と女性

日時:
2009年3月8日10:00〜15:00
会場:
男女共同参画センター横浜南(フォーラム南太田)
オープニング 男声合唱団 横浜メールクワイア

講演
 ちらし
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「イスラーム社会と女性」
  講師 岡田恵美子氏(日本イラン文化交流協会会長)
主催:
ユニフェムよこはま
共催:
男女共同参画センター横浜南

 

3月8日(日)国際女性デーのイベントが男女共同参画センター横浜南(フォーラム南太田)にて開催されました。昨年の「国際女性デー展」では女性のエンパワーメントを様々な分野からアピールしました。2009年は更にその輪を広げたいと主に県内を中心に活動している団体に呼びかけ、ご協力を得て開催することができました。

横浜メールクワイアーの響きでオープニング

男声合唱団横浜メールクワイアーは、フォーラム南太田で練習を続けている30〜70代40名余のコーラスグループ。舞台いっぱいに颯爽と登場。シューベルトの曲から始まり、懐かしい日本の歌、最近の歌に至るまでアンコールも含めて8曲を熱唱。
参加者のほとんどが女性というなか、優しい男声コーラスが流れ、会場を和ませました。

講演会「イスラーム社会と文化」 講師 岡田恵美子(日本・イラン文化交流会会長)

■イスラームとは何か(行うべき五つの行)

信仰告白
「アッラーの他に神なし、マホメットはアッラーの使徒である」を絶えず口に出して唱える。
祈祷
日の出、正午、正午と日没の間、日没、就寝前の5回跪拝する。
喜捨
困った人に喜んで助ける精神で収入の3%を救貧税としてお寺に納める。
断食
イスラーム暦第9月ラマダン月の日の出から日没まで28日間断食をする。しかし、子ども、旅行者、兵士、老人はしなくてもよい。妊婦はしてはいけない学校は午後の授業は行われない。イラン・イラク戦争の時は午後は休戦した。断食の効用として連帯感がわく、貧しい人の気持ちを体験する、1食か2食分の余った食費を寄進する。またメタボの改善や肝臓にもよいなどがあげられる。
巡礼
イスラーム暦12月の7〜10日にメッカに巡礼する。巡礼を行った人には健康で資力があり信仰心が厚い証明としてハージーという称号が与えられる。

■女性たちの生活文化

衣服
外出、祈祷の際はベールを着用する。黒のヒジャーブ、チャドルが正式。目と鼻を出し口は少しだけ出す。砂嵐、日除け、欠点隠しになるが、若い娘が男に捕られないよう女性を守るのが大きな目的である。
食物
豚肉、貝類、鱗の無い魚など腐りやすいもの、中毒を起こしやすいものは禁止。また酒はハムル、隠すの意で飲むと理性が隠れるので禁止されているが、バザールでは葡萄を搾る道具が売られ気心の知れたお客には「40日経てばお酢になる。これはお酢です」といってお酒が振舞われることもある。羊肉は、アラーに祈りを捧げながら頚動脈を一気に切り落とした新鮮なものが食される。
住居
土を水で固めた日干しレンガで家を建てる。中東では人の一生は「レンガからレンガまで」といわれている。粘土のような軟らかい土の上に赤ん坊は寝かされ、死んだ時は土を掘ってレンガを敷き頭をメッカの方に向け葬る。乾燥した風土なのでさらさらの砂になる。また地震が多くレンガの家は瓦礫の山となるが放置しておけば土になる。人々は村を捨て別の場所に新しい村を作る。

■女性たちに関する問題点

4人妻
コーランには妻は4人までとし、公平に扱うようにと書かれている。男性は遊牧や行商で遠方へ旅をするので健康上の理由から、女性は就業することが難しく未亡人の生活は大変だったので女性と子どもを救う方策として、また人口を増やすこともできる等の理由から4人妻制度が続いてきた。現在も制度は残っているが一夫一婦が多くなりつつある。
結婚と離婚・人権
結婚が決まると男性から女性に1,000万円位の結婚契約金(マッフル)が渡される。このお金は自由に使え、離婚したり夫が亡くなったりした後は自分の財産となる。ある結婚式で男性は700万円位の契約金を渡した。女性はその場で札束を数え、脇に控えていた銀行員に「これを私の口座に振り込んでください」と言ったドライな女性の姿も見学したが、離婚も多い。結婚は契約だから離婚は契約が切れたことになるだけで出戻りでもバツイチでも無く明るい話題である。離婚裁判でも離婚理由を女性の方が弁舌がさわやかに述べて堂々としている。女性は見下されることはなく人権は保護されている。
女性と労働・教育
女性の職場も広がり、就業する女性が増えてきた。学校は男女別学なので女児には女性の先生が教えている。女性だけの銀行もある。裁判官、大使、各省庁にも女性は入っているが男性と同じ場所では仕事はしないことが多い。また子どもが中学卒業までは母親の就労時間は午前中のみとなっていて、女性保護の姿勢をみることができる。母親の就学率は男性の18%だが大学進学率は女性のほうが多いところもある。

賑わった交流団体のブース

各団体が出店したグッズ販売のブースは開始と同時に人だかり。環境との調和、平和な世界を願って作られた品々はどれも美しく、可愛らしく思わず手にとってみたくなる。モンゴルのストリートチルドレンが作ったちっちゃな笛つきのストラップや象さんのマスコット、着古したサリーを裂き織りしてインドの人たちが作った湯たんぽカバー。抱いて寝たらきっといい夢を見て安眠できそう。リメイク、リユースの精神で作られた古ネクタイを利用しての小物など、センスのよい品々が手ごろな値段で売られており見て回るだけでも楽しむことができました。

参加団体交流会

アジアの女性と子どもネットワーク
WE21ジャパン
(社)国際女性教育振興会神奈川県支部
ファイバーリサイクルネットワーク
横浜市女性団体連絡協議会
ユニフェムよこはま

各団体代表より活動の様子が紹介された後、参加者より質問や感想などが寄せられました。最後には参加団体の提供品による福引当選発表があり、楽しく和やかな空気が流れるなか、参加者全員で「故郷」と「手のひらを太陽に」を歌い閉会しました。

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